いよいよ旅も大詰め、完結偏の始まり。(長文:注意)

島の観光もさすがに疲れて中断、先ずはホテルへチェックイン、期待した通りの安リゾート、同室はMr.Rosli君、そして部屋に入ってビックリ、何とダブルベット、これは堪らないと向かいの女性軍の部屋に乗りこんで職権乱用、直ちに彼女達のツインベットの部屋と交換してもらいましたが、その後2度程部屋を間違えて彼女達に大声を出されてしまいました。(あんなに騒ぐのならばカギを掛けておいて欲しい物だ、でももっぱら「Tomさんはわざと部屋を間違えた」と噂になった事は確かなようです。);部屋は2人様に予算の関係で3人押し込み、エクストラベットと言っても、床にマットレスを引くだけ、誰がマットで寝るのか、全ての部屋で熾烈なベット争いが起きた事は想像にたやすいです。

部屋はかび臭く、ベットが2つ、テレビ、机、トイレとシャワー室は兼用で当然お湯は出ませんが、まあ一泊1800円ではし方がありません。(勿論電話も無い);Mr.Hwang とMr.Kulaの部屋はエアコンが壊れており猛烈に抗議していた。:抗議しても満室だからし方が無いのだが。)
当然ロビーもレセプションも無くて、学生の頃のアパートを思い出してしまいます。
又これも驚いたのですがインドネシアの女性は本当に開け広げで、クーラーも付けないで(壊れていたのかもしれない)窓を全開、外を人が通ると着替えの最中でも気軽に「ハロー」と声を掛けて来ます。
そう言えば以前道路沿いのビルの建築現場で、裸で行水をしている丸見えおばさんに驚いて思わず前の車に突っ込みそうになった事を覚えていますが、彼女達にとってはそれほど驚くべき事ではないようです。
つまり国が異なれば文化も異なり、それを奇異と見るのは反って失礼な事だと最近は思う様になりました。
(参考までに同じような言葉「文明」は文化が異なっても共通に理解できる物、例えば数学)

(左がホテル:白黒写真でみすぼらしさは隠れている、右はMalaysiaの高床式建築)

2時間ほどの休憩の後島内観光の再スタート(えー本当に????)
行き先はアンダーウオーターワールド、100以上の水槽に5000匹の魚を保有している大水族館のはずが入場料の18RM(540円)が高すぎると猛反対をくらって入場料2RMのMakam Mahsuri(マスリのお墓)見物。
でもその前に一寸買い物、Langkawi の秘薬ガマ オイル。
山の中でバスは止まり全員下車、トイレ休憩かと思えば何やら怪しげなところに連れていかれ、目の前には直径1.5mは有ろうかと思われる中華鍋で怪しげなものを煮たぎらせているでは有りませんか、観客が集まると何やら効能を意味ありげにマレイ語で説明を始めましたが当然私には全くわかりませんが(その間地面をはう巨大蟻に心を奪われていた、100匹以上は居ました。)急に皆が私に「その鍋に手を突っ込め」とはやし始めました、冗談じゃない大火傷したくない、とは言いつつも言い出したら聞かないローカルにせかされて指先だけつけてみるとあら不思議、熱くは感じないのです。
この油こそ伝統的なLangkawiの秘薬ガマオイル、油の中に特別なナマコを入れて煮てあるそうで、どんな傷、火傷にも効くし糖尿病やリュウマチにも聞くのだと英語で説明してくれましたが、この説明を聞くのに何度辞書を調べた事やら。
とにかく演出は終わり隣のお店に行きこれが又皆驚くほど沢山買いこんでいるようでよほど有名なのでしょう。
(イスラム教徒にとってはナマコは不浄の動物、食べるどころか触れてもいけないと本で読んだのですが、、、)
その他男女が抱き合っているシルエットの絵が書かれたラベルの貼ってある怪しげな塗り薬(いったい何の薬なのだろう)等、何故だか巨大な松ぼっくりを一つづつ丁寧にラップした物とかが売られていましたが私一人何も買わずにおきました。

この後やっと伝説の女王Mahsuriのお墓に向かいますが伝説と聞いて馬鹿にしてはいけない、Langkawiで最も有名なLegend(伝説)、それは昔この島の王子のお后で絶世の美女と誉れ高いMahsuriが居ました、Langkawiは何時もシャム(タイの事)の侵略を受けて王子様が討伐に出かけている有る日、旅の人が一夜の宿を求めてマスリの家を訪れました、心優しい彼女は親切に泊めてあげたのですが彼女の美貌を羨む町の人が「不貞を働いた」と濡れ衣を着せられ王子様が戻ってこの噂を聞き、Mahsuriを信じつつも王の威厳を保つため死刑にしてしまいました。
その時彼女は白い血を流し、身の潔白を証明したと言われています。
又死の間際に「この島には2度と平和は訪れない」と呪いを掛けたそうで、事実王家は7代に渡って内乱、侵略を受け、田には真っ黒な御米しか実らなかったとか、その後王様がMahsuriのお墓を祭って以来平和になったとの事です。
(黒いお米は実在し、シャムが責めて来た時勇敢な農夫が田んぼに火を放ち米を渡さなかった英雄の伝説も有る)
ここにはMashuriの肖像画が飾ってあり、確かに色白でアジア人好みの美女だった様です。(やせる前の宮沢リエに似ている)
しかし本当のLegendはここから始まるのです、後年子供が居無い筈の彼女の末裔をケダ州調査官が何と探し当て、正式にこれを認めていると言う何とも不思議な話しなのです?
Mahsuriには隠し子が居たのでしょうか? いったい誰の子?



(Mahsuriのお墓から見た田園風景、田園は北部に多い)


所で何故この様にこのLegendに詳しいかと言えば思い起こせば3年前、Malaysiaに赴任した当時全く英語が話せず、毎週土曜日3時間ずつ英会話学校に2年通ったのですが、そこでMs.Litaと言う本当に厳しく生意気な女性教師にこの伝説の小冊子を渡され3時間みっちり読まされ頭をはたかれながら翻訳させられたので忘れられないだけです。
(うーん、本当にこの伝説は悲しい思い出のお話なのです)

さて話しを戻して、Mahsuriの次は港に戻ってKuah Town(クア・タウン )のLagenda Langkawi on the park(ランカウィ伝説公園)
..注記、伝説は英語でLegend,そして前述のLagenda はミススペルではなくマレイ語なのです。
彼らは耳で聞いた英語をローマ字でスペルを作ってマレシア語にしてしまったのです。(彼らは文字を持っていない)
日本人にはマレイシア語のスペルの方が本当にぴったりしますが、すっかり英語のスペルを誤って覚えてしまいます。例えばバスは英語でBUS,マレイシア語ではBASなのです。
話しが又脱線、とにかくこの公園に有る大わしの像(最初の写真)がLangkawiのシンボルとなっています。
時間はそろそろ午後7時、もう帰れるか、と思いきや今度は免税店に買い物、まいった、Give up。
実はLangkawiは島内全てが免税の島なのです、観光地として売り出す為の特別処置、だからどのお店もやたらに安く、ビールは通常5RM=150円が1.2RM=36円、お店で飲んでも50円くらいです。
タバコも2.7RM(マイルドセブンライト)81円、これに気を良くして、ワインとタバコ10個、それにチョコレート3個をお土産に買いました。
女性軍は食器、布団、1mはあるような巨大な縫いぐるみ等どうやって持って帰るのか考えさせられるような物まで買いこんでいました。
ホテルに戻ったのが9時、これから食事、でもここでは絶対にビール付きで食べられる夕食には有りつけないと判断し男どもを誘ってBarn Thai Langkawiまで食事に行きました、タクシ-で50分、ラストオーダーが10時と聞いての運転手に頼んでスピードアップ、流しのタクシーの割に性能が良くて時速100km以上、前方に現われた車は全て追い越し、「誰が暴走運転を頼んだ?」と言う訳で冷や冷やしながら到着、このレストラン入り口から430mもの渡り廊下が作ってありライトアップされた沼地の中のマングローブの森を歩いて行きますが、それはそれはロマンティックに出来ており、店の中には「マレイシアで最も素晴らしいレストランの一つで有る。」とどなたかのサイン入りの額縁が飾ってあったり、当然マハティール首相も良く来る様でした。


当然最後のお客でしたが、ワイン、ビール、トムヤムスープ(激辛だけど上品でお勧め)、タンドリンチキン(絶対お勧め)、その他野菜、魚を頼んで4人で250RM(7500円)は絶対に安い。
(以前Purinと来た時は2人で200RMをはるかに超えていた、最も食べきれない量にワインのがぶ飲み、ロブスターをげっぷが出るほど食べた贅沢な食事をした。:写真はPurin との記念撮影からPic up)
最後にコーヒーまで飲んで閉店まで粘り、待たせておいたタクシーで帰りついたのは午前零時。
この過酷な旅行も無事2日目を終え、かび臭い部屋も気にせずに死んだように眠りこけたのは言うまでもありません。

翌朝、今度はフェリーに乗り遅れたくないと9時にはバスに乗りこみホテルのチェックアウトを幹事に任せてさっさと出発、所がフェリーの出発時間になっても幹事のモルティー君は現れず(その間持ってきたワインを一人で御賞味)、何とチェックアウトの時は一部屋毎に、「備品は壊されていないか」「忘れ物は無いか」丁寧にホテルの人とチェック、25部屋も借りているのですからそれは時間が掛かって当たりまえ、結局10時過ぎに現れ、又もや次のフェリーの切符を手に入れるためのネゴが始まったのでした。(おいおい)
船着場には大きなショッピングモールがあるのでそこをぶらつき、さてそろそろ待合室に向かおうとしたらここに又もや大きな落とし穴、何とカスタムクリアランスが有るではありませんか。
飛行場の税関と全く同じで、何でも3日以上滞在した人は免税品に税金は掛からないがそれ以下の人には持ち出し品に税金を掛けるというでは有りませんか、当然昨日購入したワインもタバコもチョコレートも対象品、おまけにK.Lから持ち込んだ御酒まで、3日以上滞在した事を証明するフェリーのチケット、又はホテルの領収書を見せない限りアウトの様です。
所がそこはそこマレイシア、決して全員のカバンを開けて検査する訳では有りません、私は一緒に居た子連れのお姉さんの台車に一緒に荷物を積んでさも私は亭主ですと言う顔をして無事通関、その他の男どもは全員で止められて税金を要求されたようですが、彼らも又強者ぞろい、素直に払う訳がありません。
「そんなルールは聞いていない」「俺は3日以上滞在したが、切符、ホテルの領収書は幹事が持っており既に中に入った」とごねまくり60RMの税金を30RMまで値切った様です。
11時近くまで又皆と記念撮影、それでもって又もや映画スターの如く一人毎に2ショット撮影のサービス。

(左はこれも伝説の島、恋人を待ち焦がれて島になった美女、右はイ」ンド人美女+Mr.Kula)

幹事が現われて出港時刻を聞いてびっくり、何と午後12時30分、待合室に轟き渡るブーイングの嵐、し方が無いので荷物を置いて又もや外に出ましたが、何と大きな裏口が公然と有り、カスタムを通らないでも幾らでも中に入れるではありませんか、さすがにマレイシア。
KFC(ケンタッキーフライドチキンの事)で昼食、待合室に戻って本を読みながらワインを御賞味、フェリーの中で結局飲み干す事が出来ました。

さて再びK.Perlisに戻りBus pekerjaに乗りこみ次なる目的地(もう疲れた、帰りたい)タイの国境Pandang Besarへ出発、この辺りに来ると道路に舗装はされていますがかなり揺れます。
ローカルの女性軍もすっかり慣れたのか、グリーンマンゴ(全く熟していない青いマンゴ、通常サラダにする)を何とカッターナイフで皮を剥き、食べろと薦めてくれたり、乾燥した怪しげな木の実(杏の様だ)色々を食べさせその都度「うまいか?」と聞き、皆でその反応を楽しんでいるかのようで「日本人は決しておもちゃでは有りません」とつぶやくと同時に「お腹が痛くなりませんように」と密かに祈りました。
でも正直、見てくれは怪しげですがどれも変った味がして美味しく食べられたし、その後腹痛も無く、この様な物を露店で所狭しと売っているのを見かけますが行けると思いなおしました。
さて何故わざわざタイの国境まで行くのか、それはショッピングなのです。
タイから安い物があれこれ正式か密輸かは解りませんが流れ込んで来ており大きな露店大セールスをやっていて観光バスも何台か来ていました。

(Padang Besar と タイのイミグレーション)

こんな所まで来て買い物をしていてもし方が無いと男どもは何と交通整理をしていた警察官を捕まえて、タイの国境を超えられるタクシーを呼ばせて、僅か1時間では有りますが観光に行く事になりました。
このタクシーは国境を超えられる専用タクシーで(エアコンも壊れている)先ずマレイシアからの出国の為の通関、ローカルは最新のICカード付きパスポートなので簡単(ピッとするだけ)ですが私は一々出国カードに記載しなければなりません。
ほんの50mも行くと今度はタイの入国通関、今度は入国書類を書いて無事タイの国境を超えましたが、タクシーの運ちゃんが手続きしている間、なんとオートバイに荷物を積んだ行商が顔なじみなのでしょうか軽く手を上げて普通の道路を走り抜ける様に何の手続きもしないで国境を通り過ぎていきます。
歩いて、それも荷物をいっぱい背中にしょって不機嫌そうな顔で、こちらも何の手続きもしないで平気な顔で通りぬけていくのを見て驚いてしまいました。
彼らの世界には当然、国境等と言うものは無いのでしょう。
タイに入るとがらりと景色が変ります、やはり「貧しい」と言う感じがして、なによりもあの独特の文字が氾濫しており、英語の標識は全く有りません。
タクシーを降りて町をぶらぶら冷やかして回りましたが、当たり前ですが、英語は全く通じる事は無く、マレイシア語も全然駄目、でもマレイシア以外では使えないはずのリンギット紙幣で何の問題も無くビールが買えて、更におつりはバーツでかえってきます。
だからいったい幾らなのかさっぱり解りませんが大よそ1 リンギットが10バーツの様です。
短い観光でしたが早々にマレイシアに帰る事にし、又例の出国と入国、まじめに書いていたらタクシーの運ちゃん痺れを切らしたのか、「名前とサインだけすればOK」とせかします、本当に名前とサインだけできちんとパスポートにはタイの出国印とマレイシアの入国印が押されていました。 (やっぱりこんなものですよね)

4時30分過ぎ、又もや山の様に何やら買いこんだ皆と合流して、本来ならこれから南下してペナン大橋を渡り、ペナン観光のはずでしたがさすがにフェリーが遅れたので真っ直ぐ帰る事になりました。 (バンザーイ)
バスの中では流石に疲れ果て、どんな悪路でも目覚める事なくぐっすりと眠りこけていると、「マカン、マカン」と起こされた所は街中の巨大な又もやホッカーセンター、でも見る所、中華料理屋の屋台も出ており、お腹も空いていたので夕食タイム、やはり皆好みが違うのかしだいにばらばらになり、気がつけば私一人で、とりあえずビールをオーダー、そしてワンタンミーン、うーんマレイシアの味です。

(左:巨大屋台村、中央:サトウキビを絞ってジュースにするお店、右:日本式とうもろこし屋[ただのスイートコーン])

(左:どのガイドブックにも観光客は絶対食べるなと書かれているカキ氷屋ABC[アイス、ビーン、カチャン]、トッピングが色々選べる異常に甘いが今の所食べて腹痛経験無し、右:普段は手で食べるがここでは汚れても手が洗えないのでスプーンで食べるモスリム[イスラム教徒]の食事風景)

食事が終わって集合場所へ、でも30分過ぎてもバスは現われません、ブーイングの連呼、でも連休が終わりホームタウンから戻る車でごっちゃがえしているので無理も無い。
結局小一時間待って無事バスに乗り会社に直行、しかしここからが幹事さんの不幸、何故ならペナン行きが中止になっているので今度は早過ぎて、これでは夜明け前に会社に着いてしまい一般交通機関が動いていないので皆家に帰れず会社にくぎ付け、だから大騒ぎに成る事が目に見えているからです、従ってしきりに運ちゃんにもっとゆっくり走れと激を飛ばす熊より怖そうなモルティーさんですが制限時速110Kmの高速道路をちんたら走ると反って渋滞になってしまいます。
そんな心配をよそにすっかり私は夢の中、会社には夜明け前の4:30分に到着、大ブーイングをよそ目にさっさと愛車でK.Lのコンドミニアムへ帰り、シャワーを浴びてベットにもぐりこみ手足を伸ばしてそれこそ死んだように一日中眠り続けた事はいまさら書くまでも有りません。

2度とは参加したくない社内旅行でしたが、本当に、本当に良い思い出?????になりました。
又3部作の超大作
(写真が一杯で読みこむのに時間が掛ったと思いますが、少しでもMalaysiaを知って頂きたいと思い載せました。)を最後まで読んで頂いた皆様にお礼を言うと共に締めくくりとさせていただきます。

有難うございました、

追伸:同じルートでの旅行をしてみたいと万が一思いついた貴方へ、「私はお勧めしません、そして責任持ちません」